起業志望でなかった萱場様が「なぜシンガポールで起業したのか」お話を伺いました。

「子供や孫が日本だけでしか生きれない人になって欲しくない」とシンガポールに移住を決めた萱場様の過去・現在・未来に迫りました。

社長プロフィール

1978年生まれ。兵庫県西宮市出身。2002年に公認会計士2次試験合格後、現あずさ監査法人大阪事務所へ入所し、主に製造業の会計監査に従事。その後、東京共同会計事務所にてSPC決算、SPC監査、DD、各種評価、ストラクチャードファイナンス、国際税務、IFRS、その他会計税務コンサルに携わった後、2012年よりシンガポールへ移住。TMF GROUPシンガポールオフィスのジャパンデスク責任者を経て2014年にシンガポールの会計事務所CPA CONCIERGEを創業。シンガポールにおける法人設立、ビザ申請、記帳・税務申告、カンパニーセクレタリー業務などを手がける。

人生のミッション・目標を教えてください。

『家族を幸せにする事です』
世界を変えたい、社会問題を解決したい、みたいな壮大な思いはあまりなく、私は家族の幸せを一番大事に生きています。

なぜ移住しようと思われたのですか?

日本という国は、高度経済成長期やその後のバブル期に世界が驚くほどの成長をしました。しかし、残念ながら私が社会人となったときには、日本は既に「失われた20年」の真っ只中であり、その劇的な経済成長を体験することができませんでした。自分のビジネス人生残り20~30年でしょうか、正直、自分は日本の公認会計士なので、日本に居てもそれほど経済的に困ることはないと思います。しかし、急速に均一化に向かっているこの世界の状況において、子供や孫の世代では話は別です。子供や孫に、日本国内でしか生きていけないようになってほしくないと思い、そのためには自分の代で海外に移住しておかないと手遅れになるかもしれないという危機感を抱いたためにシンガポールに移住してきました。


なぜ海外の中でもシンガポールなのですか
世界の人口推移や経済成長の見込み、母国である日本との距離などを勘案した結果、「アジアのどこか」という結論に至りました。最初はアジアの中でも経済成長率が高く、日系企業進出数が多くて人口も増え、ご飯も美味しいベトナムが良いのではないかと考えました。実際にベトナムの日系企業から内定をもらい、妻と子供を連れてホーチミンを視察、スーパーマーケットや飲食店、それから移住後に住むことになるであろうコンドミニアムを見て回りました。しかし、当時(2011年)は今ほどに生活インフラが整備されておらず、「経済成長は間違いないけれど今から数年は我慢して住まなければならない」という点、「その国でしか話されていない現地語の存在が大きい」という点から、ベトナムは断念することに。その後の調査で、英語中国語を公用語とし、ヒト・モノ・カネ・情報が集まるシンガポールを選ぶことにしました。


なぜシンガポールで起業したのですか
欧州グローバル企業のシンガポールオフィスへの転職という形でシンガポールに移住してきたのですが、移住時は、独立開業するなんて微塵も考えていませんでした。しかし、お客様の満足度、ビジネスパーソンとしての自分自身の能力やマーケットでのポジショニング、そして家族の幸せや今後の世界経済などを考えると、「シンガポールで起業し、自分が信じる方法を自らの手で作り上げることが全てを解決する」と信じて独立開業するという結論に至りました。

現在やっている事について教えてください。

「社内外問わずフェアであること」というのを一つの大きなコンセプトとして、シンガポール進出から撤退まで、お客様のご要望に合わせて幅広いご提案をさせていただいています。箇条書きにすると以下のような事務代行業務になりますが、これらのサービスを基礎として、そこで培ったノウハウを様々な形に加工して提供することで、種々雑多なお客様からのご要望にお応えできるよう成長してきました。バックオフィス手続きを強みとしたシンガポールの総合コンサルティング会社に変貌しつつある、というのがこの2019年前半の状況でしょうか。
・現地法人設立や法人閉鎖、カンパニーセクレタリー業務
・登記住所、オフィススペースの提供
・ビザ申請手続き、給与計算
・記帳代行、決算、監査支援
・法人税、GST、個人所得税申告業務
・その他種々雑多な日常雑務のアウトソース
・日本とシンガポール間の国際税務やシンガポールにおける事業維持などの各種アドバイス
・お客様同士のコミュニケーションの機会提供
・他の会計事務所による業務の進捗・品質管理、セカンドオピニオン提供
・会計人材のご紹介、シンガポール実務の研修、勉強会など

また、より多くの人の幅広いニーズを満たすために、親会社とは別ブランド、別コンセプト、別メソッドでの会計事務所業務を行ったり、カンパニースタンプと呼ばれる社印の製造販売も手掛けています。

最も人生で困難だった事を教えてください。

シンガポールで開業して数年間、ビザが思うように取得できず夜も眠れぬ日を過ごした事ですね。何度もビザが却下され、次のトライで却下されたら家族全員日本へ強制帰国、という状況を何度もくぐり抜けてきました。開業当初、できるだけ家族と一緒にいる時間を多くしたかったので家で仕事をしていましたし、お客様の数もそれほど多くなかったので会社の従業員は自分一人、という、在宅フリーランサーに近い状態でした。ところが、シンガポール人等を雇用しないと自分のビザが更新されない、フリーランサーだと体調不良で自分が仕事できないと困る、といったこともあって、事業を拡大する事を決めました。2019年前半の現在では、まだ組織と呼べるほどではないですがメンバーの数も10人ほどに増え、日本人と非日本人、半分半分くらいの体制で業務を行っています。

今後の目標を教えてください。

労働時間当たりの利益を一つの指標にしています。やみくもに売上と事業規模を大きくするのではなく、労働時間当たりの利益を向上させるか、が意思決定の大きな基準であり、そこにこだわって会社運営をしていきます。そのような思いから、頑張った人が報われる賞与の仕組みや、従業員がお客様のサービスを利用した場合の補助金の支給、といった独自の人事制度があったり、限られた時間でいかにお客様に付加価値のあるサービスを提供するかを常に考え、すぐに実行してPDCAを回す、といったように、他社と比べて従業員にもビジネスマインドが備わっているという点は弊社の強みの一つでもあると考えています。

学生へのメッセージをお願いします。

日本以外の国で働くことも選択肢に入れて、効率的に市場価値を上げる方法を考案する事をお勧めします。先程も触れましたが、日本の今後は決して明るくないと思っていまして、国や日本国内の会社が今後確実に守ってくれる保証はどこにもありません。私自身、本気でそう思っているので今こうしてシンガポールにいるわけですが、そんな状況の中生き残っていくためには、異文化理解や他国の言語などを身につけて、世界の中での自分の市場価値を意識して行動すべきだと思います。また、会計などの資格も1つの市場価値を上げる手段です。例えば自分自身も、クライアントやビジネスで知り合う日本人の方々から“日本の”公認会計士ということで少なからず信頼して頂きやすい部分があると感じます。

バイブルの本を教えてください。

バイブルといいますか、自分自身、できていないことが多過ぎて、常に頭に入れておきたいため頻繁に目を通している、という意味で、デール・カーネギーが著者の「人を動かす」でしょうか。
私は幼い時から、自分の思っている事をはっきり言わないと気が済まない、よくいる「日本に合わないタイプ」で、敵を作ってしまうことも多かった(年も取ったせいか、かなり改善しましたが)のですが、この本は、人を動かすためには?敵を作らないようにするには?といった普遍的な人間スキルを様々な事例をもとに説明しています。こういった、多くの事例をもとに共通項を見出して一定の法則を見つけるという本は説得力があります。この本を若い時に読んでいれば、もっとトクして生きることができたと後悔しています。一読の価値があるので是非読んでみてください。

企業紹介

  • 企業名
  • CPA CONCIERGE PTE LTD

  • 設立年
  • 2014年

  • 社員数
  • 10人
  • シンガポール

  • 都市
  • シンガポール

  • 社員の国籍比率
  • 日本人60%

  • 使用言語の割合
  • 日本語60%

  • 手当
  • 応相談

  • インターンシップ期間
  • 長ければ長いほど歓迎(最短2か月から)

  • インターンシップ日数、時間
  • 応相談

事業内容

会計税務業務、シンガポール進出・撤退サポート、など

求める人物像

能動的に動ける方、ロジカルな方

会社の連絡先